この数年で業界や職種に限らず データ分析 や ビッグデータ 、 自社データの利活用 などの単語を日常業務で聞く機会は増えたのではないでしょうか?
データ分析に関する職種は多数ありますが、中でも汎用的にデータを扱う専門家として データアナリスト の需要は高まっており、業態問わず採用ページで募集がかけられているのをよく見かけます。
こちらの記事では、
未経験者
- データアナリストとして働くことのイメージを持ちたい!
- データアナリストの将来性はどうなのか?
- 未経験でもデータアナリストになるにはどうしたらよいか?
という方向けに、メガベンチャーでデータアナリスト経験5年以上の筆者が、自身の経験やこれまで業界の中で得た情報をもとに、
- データアナリストの概要や実際の業務内容
- データアナリストの将来性
- 未経験からデータアナリストへのなり方
についての考えを解説していきます。経験を元に記載しているので、実態と近しい情報をお伝えできると思います。
それでは詳しく見ていきましょう!
データアナリストとは
出典:一般社団法人 データサイエンティスト協会(http://www.datascientist.or.jp/)
データサイエンティスト協会によると、データ分析の職種に求められるスキルはビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力の3つから構成されます。
データアナリストは、この中でもより ビジネス力 と データサイエンス力 に特化しており、データの集計や可視化、データサイエンスを活用してビジネス課題を解決していくことをミッションとした職種になります。データを用いることで客観的、理論的にビジネス判断をすることが可能になるので、ビジネスの成功確度を上げることに貢献します。
データアナリストの将来性
Googleトレンドを眺めてみましょう。
これを見るとデータアナリストもデータサイエンティストも同程度上昇していることがわかります。ビッグデータというバズワード自体は下火になりつつありますが、データアナリスト自体は依然上昇傾向にあり、将来性は一定あるように思えます。
実態としても、今や古くからある大企業でも自社HPや自社サービス、アプリなどを展開している会社も少なくはなく、こういったIT関連のシステムがある以上必ずデータは常に生み出されており、それを活用することへの需要は必然的に高まっている印象です。
データアナリストの仕事内容
データアナリストが日常的に行っている主な仕事は以下のようなものです。
ビジネスの課題解決のためのデータ分析
- 担当するビジネスゴールの整理。
- 現状をデータを元にSQLを用いて集計し把握。
- 差分の原因を定量的に深ぼって整理し、示唆をもとに改善案を提案する。
ビジネスの現状をモニタリングするためのダッシュボードの開発
- 担当するビジネスの KPI (重要業績評価指標)や KGI (重要目標達成指標)を整理。
- これらの達成状況を日常的に追うために可視化したレポートをBIツールを用いて作成。
- それらのレポートをまとめてダッシュボードで一覧化する。
データ分析を行うためのデータ環境の整理
- 排出するデータログの仕様の作成
- 必要に応じてデータウェアハウスにデータを流し込むための ETL を設計
- ログ実装のためのエンジニア職種のディレクション
データアナリストが活躍する会社
転職サイトで検索すると300件ほど該当するため、多くの会社で求人が出ているようです(2021年1月現在)。
中には一昔前ではデータ活用が全くされていなかったような国内大手銀行や大手カード会社、大手キャリアなどもあり、データアナリストが普及しているのがわかります。昨今多くの企業でDXが推進されていることもあり、データ分析職種の需要は業界や会社問わず、一定続きそうな気配があります。
逆に、データアナリストの活躍が難しそうな会社は、会社規模、事業規模が小さすぎる中小企業やベンチャー企業などです。データの利活用は事業規模が一定以上になってから効力を発生するため、規模が大きい会社がおすすめです。
データアナリストに必要なスキル
データベース(SQL)
データ分析で用いるデータは多くの場合データベースに格納されています。
データベースからデータを加工して抽出するには SQL というデータベース言語を用いることが多いため、最も頻度高く使用するスキルです。
SQL の中でも BigQuery についてまとめた記事があるので合わせてご覧ください。
ロジカルシンキング・課題解決スキル
データアナリストは意思決定の支援や事業課題を解決するために、データを利活用する職種です。
データ分析を行う要件定義のために、前段階としてビジネス課題をヒアリングし整理することや、アウトプットを適切に伝えるために資料を作り込むなどは日常的に行うため、ロジカルシンキングや課題解決スキルは頻度高く使うため、備えていることで強みになります。
統計学
抽出したデータから意味を見出したり、客観的に数字を捉える手段として統計学を用います。特に広告など一部の業界では頻度高く用いられます。
データサイエンス用のプログラミング言語(R・Python)
統計学や機械学習などのデータサイエンスに関するタスクを実践する際は R や Python などのプログラミング言語を用います。
SQL と比較して一定習得難易度は高いですが、これらができることで可能な業務の幅は広がるため、身につけている方も多いです。
BIツール
Tableau や Power BI 、SAS、SPSS、無料だと Redash や Googleデータポータル など多数のBIツールがあるため、主流うなツールいずれかを使いこなせているのが望ましいです。
データアナリストに向いている人
論理的に物事を整理する・考えるのが好き
膨大なデータと向き合いながらそこに意味を見出すのは研究者のように深い洞察が求められます。深く考えた上で気づきを発見するのを楽しめる人は適正があると思います。筆者の周りだとコンサル会社出身で未経験ながらデータアナリストになる方も多くいます。
人の話を聞く・相談にのるのが好き
データアナリストは他のビジネス職の方から頻繁に相談されます。相談内容をデータ分析を用いて日常的に解決していくので、人に寄り添いながら一緒に課題解決できる人は向いています。
手に職つけたい
現状、データアナリストは需要があり、かつ、比較的バックグラウンドに依存せずにどなたでもなれる職種です。副業やフリーランスもやりやすいため独立している方もたくさんいます。筆者も本業とは別に副業で安定的に月20万ほどの収入を得ています。
データアナリストに未経験からなるには
社内異動をする
社内異動が可能で、社内にデータなリストのポジションがある場合は、こちらが一番オススメです。転職の場合、かなり客観的なスキル(kaggleで上位入賞経験がある、など)が求められるので、社内で異動して社内研修などでスキルのキャッチアップをしつつ、データアナリストとして職務経験を積むのが最も円滑です。
これまで筆者が見たケースだと、
- 文系出身の非エンジニア職種(ビジネス職種)から異動の若手
- エンジニア職種から異動の30代
など、多様なケースを見ていて、それぞれデータアナリストとして独り立ちしています。
未経験OKの会社に転職する
データアナリストは一定需要があるため、未経験でもポテンシャル採用で募集をかけている会社も一定存在します。未経験OKとはいえ、スキル習得の有無は合否に影響するため、
- プログラミングスクールを卒業している
- Kaggleのコンペ入賞(難易度高)
などがあると有利に働くと考えられます。
データアナリスト職種がある会社に新卒入社する
配属リスクはありますが、こちらも1手段としてあります。基本的に未経験でも新卒の場合は手厚く育成してくれるため、確実にキャッチアップ可能だと思います。
新卒の場合、文系理系関係なく未経験者で問題ないですが、プログラミングスクールに通っていた実績や Kaggle の実績があることで配属で有利になる可能性はあります。
データアナリストで役に立つ資格
優先度大
- 統計検定
- 基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験
優先度低
- オープンデータベース技術者認定資格
- オラクルマスター
- 統計データ分析士
データアナリストの年収
参照:求人ボックス 給与ナビ
求人ボックスによるとデータアナリストの平均年収は約650万円と、日本の平均年収より高い傾向にあります。日系企業よりはデータ分析職種の普及の早かった外資企業だと1,000万を超えている方も周囲だと見かけます。
まとめ
こちらの記事では
- データアナリストの概要や実際の業務内容
- データアナリストの将来性
- 未経験からデータアナリストへのなり方
について解説しました。データアナリストは未経験者からもなりやすく、手に職つけやすいので、非常におすすめな職種です。
興味を持たれた方は是非、データアナリストを志してみてください!
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